ローバーミニ(Mini、ミニクーパー)ラック&ピニオンのメンテナンスについて解説致します。
エンジンも降りている状態で解説いたしますが基本外さなくてもOKです。
グリスアップ、ブーツの交換、タイロッドエンド交換等のメンテナンスの内容となります。
今回はラックシャフトのカラー(スペイサー)の交換は含まれません。
目次【フロントサスペンションの取り外し方法の解説 】
使用する道具/用具
使用する道具は以下です。
- インチボックスレンチ
- インチスパナレンチ
- プラスドライバー
- パイプレンチ
ラック&ピニオンの取外し手順
ラック&ピニオンの取外し手順について解説致します。
画像ではエンジンが下りている状態ですので状況により参考になる部分だけご利用ください。
1、タイロッドエンドをスイベルハブアームから取り外しタイロッドエンドも取り外す。
2、ステアリングシャフトアッセンで取り外す。
3、運転席側のサブフレームの下側ボディーとの連結部を取り外す。
4、ラック&ピニオンの取付Uボルトを外しラック&ピニオンをフリーにする。
5、ステアリングシャフト連結部をエンジン側に出し、
6、ラックを回転しシャフトを上の状態にし、ラック&ピニオンを運転席側から横に抜く。
流れとしては上記方法ですがブーツが邪魔をして抜けてこない場合もありますので事前に外しておくと良いかもしれません。
また、下側ボディーとサブフレーム連結部だけで抜き取るスペースが取れない場合、
上側の大きなラバーコーン取り付けボルトを緩めなくてはならない場合もあります。
【注意】ラバーコーン取り付けボルトは抜いてしまうとサブフレームが落下しますので
数回転緩める程度でOKです。
ラック&ピニオンメンテナンス
まずはじめに車検チェック時に必要となるトーIN/OUTの変化が出る可能性があるため、
最後にトーの調整をショップでお願いできる方、又はご自分で測定ができる方向けの記事となります。
ラックが車載されている状態が殆どだと思いますが解説の容易さから取り外した状態で解説いたします。
1、タイロッドエンドロックナットを緩め、タイロッドエンドを取り外す。
(タイロッドエンドブーツが破損している場合は交換か本体を新品交換)
2、ロックナットからシャフト先端までのネジのピッチ(山)を数え記録しロックナットを取り外す。
3、ブーツを固定してるタイラップ又は金具を取り外しブーツを抜き取る。
4、インナータイロッドにガタがないかチェック、シャフトを持ち上げパタンと落ちてしまう場合はそろそろインナータイロッドの交換がお勧め。
5、助手席側のラック内部にシャフトカラー(ラックスペーサー)があり破損/欠損が無いかチェックし破損があれば交換。
■ラックスペーサー交換の仕方
シャフトに溝がありインナータイロッドはポンチ打ちで回り止めしてありますので、この部分をマイナスドライバー等でポンチで広がった部分を押し戻す。
パイプレンチを使ってタイロッド部分を挟み左側へ回す。(かなり固い)
外れたら運転席側一杯までシャフトを移動する(引っ張る)
次いでシャフトカラーをカギ状の千枚通し等で抜き取る。
(割れてれば簡単に外せますが割れてないとなかなか外せません。)
6、モリブデングリスを使い、シャフトカラー、ラックシャフト、ボールジョイント部分に塗り込む。
7、ブーツを取り付け適当な長さのタイラップで固定、ロックナットを入れタイロッドエンドを取り付け終了。
【注意】タイロッドエンドは製造メーカーにより長さが違います。
もし違う場合は元付いていたタイロッドとの差を測りその分を考慮しねじ込む長さを決めます。
ザックリ1ピッチ1㎜換算でOKかと思います。
(厳密にはインチ規格ですが概ね近いところになるかと…)
8、最後にトーのアライメント調整が必要です。
まとめ
ハンドリングに影響する所だし、車検時に必ずチェックされる所ですので作業は慎重にお願いします。
うっかりラックシャフトのネジピッチを数え忘れると色々面倒な事になりますので忘れないように。
- 使用する道具/用具
- ラック&ピニオンの取外し手順
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