ローバーミニ(Mini、ミニクーパー)エンジンのオーバーホールを順を追って解説、
今回はカムシャフトとピストンの組付け方法 クリアランス測定方法について解説します。
●ミッションとブロックの分離記事はこちらを参考にしてください。
●ピストンリング組付け記事はこちらを参照してください
目次【カムシャフトとピストンの組付け方法 クリアランス測定方法についての解説 】
使用する道具/用具
使用する道具は以下です。
- インチボックス・ラチェッセット
- ロングスピンナー
- トルクレンチ
- オイラー
- エンジンオイル少量
- ピストンリングコンプレッサー
- 新品コンロッドメタル(今回はスタンダード品)
- プラスチゲージ 0.025-0.076mm用
- WAKO'Sエンジン組み立てペースト
●コンロッドメタルはミニスペアより購入
http://www.minispares.com/default.aspx
コンロッドメタルクリアランス測定方法
今回もコンロッドメタルのクリアランスを測定する方法にプラスチゲージを使用します。
まず各パーツはキレイに洗浄しご用意ください。
エンジン台が無いのでブロックを横にして準備します。
1、新品STDのコンロッドメタルをコンロッド側とキャップ側に取り付けますが、クランク面にはオイルを付けないでください。
ピストンが入った状態からの解説となります。
2、プラスチゲージを1cm強切った状態でクランクシャフトジャーナル部に乗せます
3、コンロッドキャップを静かに被せボルトで固定しますが、最初はラチェットで締まるところまで締め
その後規定トルクの約半分のトルクで締めた後、規定トルク50Nmで本締めします。
4、締めたらすぐに分解しますが、クランクシャフトを絶対回さないように。
5、ビッグエンドキャップを常に上に抜く感じで引っ張りながらプラハンマーで両端にショックを与えながら抜きます。ボルトをキャンプに半分入れ内側に寄せながら片手で持つと簡単です。
クランクキャップお同じ要領で外します。
6、キャップを外すとプラスチックの棒が潰れて見えますのでこの幅をプラスチゲージ紙に印刷されてる幅と比べクリアランスを確認します。(私の個体は0.051㎜前後)
7、測定が終わりましたらパーツクリーナーで拭き取るとプラスチゲージは簡単に取り除けます。
カムシャフトとピストンの組付け方法
1000cc、1300㏄共にはカムシャフトを挿入してからピストンを入れた方が簡単かもしれません。
特に1300㏄はカムのリフターを先に挿入してからカムの組付けを行います。
●カムシャフト取り付け
カムシャフトはカムチェーン側から挿入します。カムの軸受けの直径が異なりますので反対に挿入することは出来ません。安心して挿入して下さい。
組付けの際にASP又はオイルの塗布を忘れないように!
もしカムシャフトメタルにダメージがある場合は交換が必要ですが、専用工具が必要です。
●ピストン挿入
コンロッドとピストンが組まれた状態から解説いたします。
(コンロッドとピストンは圧入タイプでしたが、スナップリングで固定されてるタイプもございます)
ピストンリング取付についてはこちらを参照
1、ピストンリングの合口隙間を90度又は120度にずらして準備しオイルをタップリ付けます。
メタル部分にはASPかオイルを塗布し、シリンダーブロック側にも塗布します。
2、ピストンリングコンプレッサーをピストンの2/3程まで被せコンプレッサーで締め上げます。
3、コンロッドの挿入向きを確認しながらシリンダーブロックにコンプレッサーが当たる所まで挿入
4、ピストンをハンマーの柄の部分で軽く叩きながら挿入しますがピストンリングが無理に叩くとピストンリングがシリンダーの淵に引っ掛かり折れる場合があります。
コツはピストンリングコンプレッサーも上から軽く叩くとリングが滑り込みやすくなるようです。
5、コンロッドキャップの組付けは先ほどの組付け方法順となります。
組付けの際はWAKO'Sのエンジン組付けペーストASPを回転部分に塗布し組付けますが、
オイラーでエンジンオイルをたっぷり付けながら組み付けてください。
●コンロッドキャップボルトの規定締め付けトルク:50Nm
●コンロッドメタルとクランクシャフトの規定クリアランス:0.025-0.064mm
まとめ
プラスチゲージを今回も使いますがコンロッドになると慣れてきて簡単に感じますね。
ピストンリングコンプレッサーを締め上げる場合にコンプレッサーが回転したら一度外してリング合口隙間を再確認して下さいね。
- 使用する道具/用具について
- コンロッドメタルクリアランス測定方法
- カムシャフトとピストンの組付け方法
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