ローバーミニ(Mini、ミニクーパー)ブレーキマスターシリンダーの分解、メンテナンス、オーバーホール方法について解説致します。
横型ブレーキマスターのグリーンバンド仕様の物が対象です。
【注意】ブレーキに関わる事は安全走行に重要な作業です。何かあっても全て自己責任となりますので予めご了承ください。
目次【ブレーキマスターシリンダーの分解、シリンダーカップ交換方法 】
使用する道具/用具
使用する道具/用具は以下です。
- プラス、マイナスドライバー
- ピックツール
- タイヤレバーと鉄板
- 3mmのポンチ
- パーツクリーナー
- ブレーキグリス
- 万力
- ブレーキマスターシリンダーO/Hキット
年式、縦型マスターなどで種類がありますので予め調べて用意します。
●ピックツール |
●ポンチセット |
●ブレーキグリス |
●タイヤレバー |
●ブレーキマスターシリンダーリーンバンド用O/Hキット |
●ブレーキマスターシリンダー新品本体 |
●万力 |
●ブレーキ関係のパーツはミニスペアより購入もできます。
http://www.minispares.com/default.aspx
ブレーキマスターシリンダーの分解方法
ブレーキマスターASSYの取り外しは以下を参照
https://old-mini.com/rover-mini-brakemaster-clutchslavecylinder/
タンクのブレーキ油を抜き、ブレーキパイプを外しブレーキマスターバックから取り外した状態からの解説です。
予備知識としてブレーキマスターのシリンダーは2本入っていて車体前方側がリアブレーキ用、
後方のマスターバック側がフロントブレーキ用となってます。
1、ブレーキマスターを万力に固定。
2、ブレーキタンクを外します。
タンク先端下部にロールピンで固定されておりこれを3mmポンチで抜きます。
タンク自体はマスターの給油口に差し込んであるだけなので力一杯抜けば外れますが、
年数が経過した個体はゴムが固く、私はタイヤレバーと当て板(鉄板や木片)を使ってタンクをこじって外してます。
3、ブレーキマスターをマスターバック側を上にし万力に固定し直しプラスティックの固定カラーを外しますが
これは3か所の爪が溝に入っているだけなのでピックツールや細いマイナスドライバーでこじて外します。
一人でされる場合はカラーが外れるとシリンダーピストンが飛び出てきますので注意!
4、ついでブレーキ油の給油口のゴムを取り内部のスリットが入った板を取り出します。斜めにすると取りやすいです。
5、奥のシリンダー給油口にピンが刺さってますのでこれを外します。
方法はマスターを縦にしドライバー等でピストンシリンダーを圧縮、ラジオペンチでピンを抜き取ります。
6、マスターシリンダーを逆さにしショックを与えると内部のピストンシリンダーは抜けてきます。
7、ピストンの向きを間違えないように記憶又はスマホ写真で記録
8、交換部品はカップ3個、平ワッシャー2個、フロントブレーキ用ピストンとゴム、カラー
9、奥から順番に分解、刺さっているスプリングをピストンから外す。ピストン固定用三角プレートを外す。
3個のカップはテーパー状になっており、向きと厚みも違いますので外す度に新品のどれと対応しているか確認しながら外します。
カップが外れると薄い平ワッシャーがあります。これはブレーキ油が内部で移動するための弁の役目をしております。
平ワッシャーを外すとピストンのワッシャー面に3か所穴が開いておりますのでここを念入りにピストンをパーツクリーナー等で洗浄清掃
10、組立時、順番とカップの向きが分かる様並べておきます。
11、ブレーキシリンダー取付面のOリングを外す。
12、ブレーキシリンダー内部を灯油等で洗浄、サビがある場合は1000番のサンドペーパーで取る。内部の場合はサンドペーパーを同心円状に回転させながら研ぐ
最後にパーツクリーナー清掃し下準備完了
ブレーキマスターシリンダーのO/H方法
ブレーキオイルタンクもできれば洗浄清掃しておく。(パーツクリーナーが簡単)
洗浄後は良く乾燥しておく。
1、シリンダーピストンのカップを形や厚みがに注意しながらピストンに組付けます。
シリンダー内部も含め薄くブレーキグリスを塗布しながら組付け。
組付けの際、平ワッシャーが付く面に3か所空いた穴にブレーキグリスは塗布しないこと、平ワッシャーも同様です。
2、シリンダーの奥側のピストンから入れ、ドライバーで圧縮しながらロックピンを挿入
この時画像の様にピストン先端がロックピンより少し上である事を確認、ロックピンの位置が違うとピストンはかなり手前に見えます。
3、マスターバック側のピストンも同様にカップの方向、厚みを注意しながら組上。
特に飛び出ているピストンの摺動部分とシリンダー挿入口周辺に薄くブレーキグリスを塗布すること、
ピストンシャフト内部に若干ブレーキグリスを入れておく
4、シリンダーにシリンダーピストンを入れ、圧縮しつつプラスティックカラーを押し込むと爪でロックします。
5、組み終わったらピストンを押し込んでみて軽く動く事を確認
6、ブレーキ油給油口にスリットの入った平ワッシャーを装着しゴムパッキン周りにブレーキグリスを薄く塗布し装着。
7、ブレーキオイルタンクは手で圧入しロールピンで固定
以上でブレーキマスターのオーバーホール完了
この車両でブレーキのエアー抜きは後々記事に致します。
まとめ
ブレーキマスターもブレーキブースター無し縦型の物もあり何種類かございます。
年式別やブレーキマスターに付いているバンドの色でそれに合ったO/Hキットを用意する必要がございます。
私は過去に種類があるのを知らず違った物を購入してしまった失敗からそこだけ気を付ければOKです。
- 使用する道具/用具
- ブレーキマスターシリンダーの分解方法
- ブレーキマスターシリンダーのO/H方法
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