ローバーミニ(Mini、ミニクーパー)エンジンのオーバーホールを順を追って解説、
今回はシリンダーブロックとミッションを合体 アイドラギア スラストクリアランス測定、オイルポンプの取付方法について解説します。
ミッションとブロックの分離記事はこちらを参考にしてください。
目次【シリンダーブロックとミッションを合体に伴う作業についての解説 】
使用する道具/用具
使用する道具は以下です。
- インチボックス・ラチェッセット
- ロングスピンナー
- トルクレンチ
- オイラー
- エンジンオイル少量
- リチュームグリス
- 液体ガスケット
- 新品クランクオイルシール/パッキン類
- WAKO'Sエンジン組み立てペースト
ガスケットセット/シール類はミニスペアより購入
アイドラギア スラストクリアランス測定方法
アイドラギア スラストクリアランス測定はミッションとシリンダーブロックを合体する前に先に確認してください。
まず各パーツはキレイに洗浄しご用意ください。
1、ミッションのクラッチ側のパッキンを何も付けずにケースに当てがいます。
2、アイドラギアを厚みのあるシムが両サイドに入った状態でミッションに取り付け
3、次いでクラッチハウジングを取り付け、固定できる所だけ規定トルクで締め付け
4、ミッション内側からアイドラギアとミッションケースとのクリアランスを測定
5、規定クリアランス:0,1-0,18mm
6、この範囲にない場合は厚めのシムを交換し調整しますが、経験上程度が悪いエンジンでなければ規定数値内にあるかと思います。
アイドラギアを交換した場合は必須作業の様です。
オイルポンプの組付け前の準備について
O/Hの際、新品オイルポンプは安価なので交換をお勧めします。
新品のオイルポンプはそのまま取り付けずに分解し内部のエッジ部分を軽く落としてください。
まれに長期保管の間に錆が発生している場合もあります。
除去清掃しASPとオイルを塗布しながら組み立てておきます。
ポンプの中央シャフトが指で軽く回る程度で仕上げてください。
ミッションとブロック合体後クラッチハウジング取付まで
上記が準備出来たらいよいよ合体です。
1、ミッションとブロック側の接合部を脱脂
2、パッキンを置いてみて合ってるか確認
3、半月シールはフランジが有る方が外側のようです。
(マニュアル本に詳しく載ってないが分解時に確認)
4、半月シールとパッキンが付く所に液体バスケットを薄く塗る。半月シール部は多めに
5、オイルラインにOリングを挿入するのを忘れずに、パッキン/半月シールを取り付け
6、2人がかりでシリンダーブロックをミッションの上に乗せる
7、固定ボルトとナット合わせて13か所を固定、規定トルク7Nmの様ですが手で軽く締め上げて感じでOKと思います。
8、次いでアイドラギア、プライマリーギアを取り付けプライマリギアスラストクリアランス0.089-0.165mm 以前分解時に確認済なのでそのままASP塗布後組付け、軽く回ることを確認しオイルポンプを取り付ける。規定トルク:11Nm
9、クラッチハウジングに新品のクランクシールを挿入適当な大きさのリング状当て板かプラハンマーで少しずつ平行に挿入し内輪にリチュームグリスを薄く塗布。平衡に入ってないとオイル漏れの原因となります。
挿入にインサートツールがあると便利
10、ミッションとブロックの接続断面のはみ出たパッキンはカッターでそぎ落としておき、クラッチハウジングとの接面を脱脂、薄く液体ガスケットを塗りボルトで固定
ネジピッチの荒い方がミッション側
クランクシール挿入ツールがあるとシールを傷めず取り付けできます。
クラッチハウジング規定トルク:25Nm
11、クランクシャフトシール保護プレートを挿入
12、1000ccの場合はこの段階でブロック側面からバルブリフターをAPSとオイルを塗布しながら挿入
13、最後にクランクプーリーを仮付けしクランクが左右にスムーズに回転するか確認して終了
まとめ
腰を痛めずに重たいブロックが乗っかっただけで満足でした!
ずいぶんエンジンらしくなってきました。
- 使用する道具/用具について
- アイドラギアスラストクリアランス測定方法
- オイルポンプの組付け前の準備について
- ミッションとブロック合体後クラッチハウジング取付まで
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