ローバーミニ(Mini、ミニクーパー)エンジンのオーバーホールを順を追って解説、
今回はMTミッションの最終組立について解説します。
デファレンシャルギアのO/Hも終わりミッションケースに組付けます。
目次【MTミッションの最終組立について解説 】
使用する道具/用具
使用する道具は以下です。
- インチボックスレンチ
- ミリボックスレンチ
- マイクロメーター
- シクネスゲージ
- トルクレンチ
- WAKOS ASP エンジン組付けペースト/オイル差し
- 液体ガスケット
- ミッションO/H用パッキン・シールセット
●交換パーツは以下のサイトより購入
Minispares.com
●液体ガスケット
●WAKOS ASP
MTミッションの最終組立の内容
MTミッションの最終組み立てに内容となりますが、以下の手順にて最終組み立てと致します。
予めパッキンカス、オイル汚れ等洗浄し準備する。
MTミッションの分解等はこちらの記事をご参照ください。
●手順
- デファレンシャルギアのプレロード調整
- デファレンシャルギアをミッションケースに収める
- スピードメーターギアユニット組み立て
デファレンシャルギア、プレロード調整方法
デファレンシャルギアのプレロード調整とはミッションケースに取り付けた場合の横方向のクリアランスの事です。
プレロードクリアランス値=約0.1㎜
デファレンシャルギアシャフトのメインベアリングを交換された時だけでOKと思います。
サイドハウジングのオイルシールは予め新品に交換しておいてください。
また、チェンジセレクトシャフトの連結が正しく収まっているか確認(変速できるか動作確認)
1、デファレンシャルギアーをミッションケースにセットしデフカバーを仮止め
2,右ドライブシャフト側のサイドカバーをパッキン無しで仮止め
この時デフのベアリングはサイドカバー接触している事。
3,もともと付いていたシムを左側に入れ左側のサイドハウジングをパッキンなしで仮止め
4,デフカバーの取付ボルトは一旦緩めてゆるゆるの状態にし、
左側のハウジングボルトを軽く締まるところまで追い込む。
5,左側のハウジングとミッションケース間の隙間をシクネスゲージで測定
6,測定値が0.46㎜になるよう内側のシムを交換又は増減し調整
サイドハウジングのパッキンが圧着された時に0.18㎜になると想定し、
左右で0.36㎜とクリアランスが0.1㎜ 合わせると0.46㎜となります。
7,シム厚による調整ですが以下例をご参照ください。
シム厚測定にはマイクロメーターを使用
測定値0.50㎜の場合
0.50-0.18-0.18-0.1=0.04mm
シム厚が0.2㎜が入っていいたとすると0.24㎜の物に近い値のシム厚に交換
または0.15㎜+0.09㎜の2枚に交換などでOKです。
8、シム調整が出来たら取付開始
9,デフカバーの周りに液体ガスケットを薄く塗布しパッキンを挟んでボルトは仮止め
10,左右サイドハウジングとも液体ガスケットを薄く塗布しパッキンを挟んでボルトは仮止め
11,デフカバーボルトをう少し追い込んで締め、その後両サイドハウジングも少し追い込んで締める
12,トルクレンチでデフカバーボルトを規定トルクで本締めし両サイドのハウジングも本締め
締め付けトルク:25Nm(2.5kgm)
スピードメーターギア他取り付け
組付け前にスピードメーターワイヤー取り付け口の裏側に小さいオイルシールが有るので新品交換する。
1,チェンジセレクトシャフトのオイルシールを挿入、ロングのボックスレンチなどで圧入
2,ハウジングにスピードメーターギアを組付けしスピードメーターワイヤー取り付け口は付けない状
態。
3,ハウジングに液体ガスケットを薄く塗布しパッキンを挟んでボルト固定
4,トルクレンチを使って本締め
締め付けトルク:25Nm(2.5kgm)
5,最後にスピードメーターワイヤー取り付け口を取り付けて終了
まとめ
デフのプレロード調整はメインベアリングを交換した時だけでOKと思うのですが、
確認も兼ねて測定した方が安心できるかも?
※次回掲載は仕事の関係上2~3週間程先になります。
- 使用する道具/用具について
- MTミッションの最終組立の内容
- デファレンシャルギア、プレロード調整
- スピードメーターギア他取り付け
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