ローバーミニ(Mini、ミニクーパー)エンジンのオーバーホールを順を追って解説、
今回はバートタイプのクラッチ板交換しフライホイールに取り付けた状態でクランクシャフトへの取付け方法、
クラッチカバーのメンテナンス組み立てについて解説します。
この記事は旧タイプのクラッチには対応しませんので予めご了承ください。
クラッチ板やプレッシャープレートなどのセットは予め新品を用意しておきます。
ローバーミニ、フライホイール、クランクプーリーの取外しの記事はこちらを参考にしてください。
目次【クラッチ板交換とフライホイール取付けについて解説 】
使用する道具/用具
使用する道具は以下です。
- インチ、ミリラチェットボックスセット
- トルクレンチ大、中
- ロックタイト液
- パーツクリーナー
- モリブデングリス
- 新品クラッチセット+レリーズベアリング固定Oリング
- 割りピンまたはRピン
- ※必要場合のみ
リリースレバー、レリーズプランジャー、クレビスピン各2本
ロックタイト液 |
トルクレンチ大 |
モリブデングリス |
●クラッチ板セット/アーム、プランジャー類はミニスペアより購入
http://www.minispares.com/default.aspx
バートタイプのクラッチ板交換しフライホイールへ組付け
クラッチ板新品セットの入手。
クラッチ板、プレッシャープレート、スラストベアリング、スラストスリーブ、ボルトがセットの物
これにプランジャーにスラストベアリングを固定するOリングわ1個を入手
旧プレッシャープレートから中央ハウジングを取り外し新品に移す。
この際ボルトの穴位置は一か所しか合わないので位置を回転させながら探す。
まれにプレッシャープレート中央の穴径が小さいものが有るようです、今回入手した物はそのまま付かず
穴径をヤスリで若干広げて使用しました。
ボルトはセット付属の新品を使用しロックタイト液を付けてもOK、規定トルクで締め付け
規定トルク:25Nm ボルト径に対し少し不安を感じたので私は30Nmで締めました。
プレッシャープレートとフライホイールのクラッチ板接触面をパーツクリーナーで脱脂
新品クラッチ板は中央が飛び出ている方がフライホイール側でフライホイールに置く
組み上がったプレッシャープレートをその上に乗せ固定ボルトで仮止め
プレッシャープレート取付位置は一か所だけで合います。
クランクシャフトにフライホイールの組付け
1、クラッチセット付属のグリス(モリブデングリスでも可)をプライマリーギアのスプライン部分に薄く塗布する。
2、仮組したフライホイールをクランクシャフトにクラッチ板のスプラインを合わせながら差し込む。
3、クランクシャフト中央のキー溝を合わせ、キープレートを取付新品のセンターボルトを締める。
この際ある程度でOK。
4、フライホイール回り止めでフライホイールロックツールを取り付け。
これは回転方向によってセルモーターの上側ボルト位置だったり下側ボルト位置だったりしますので、
実際付けてみると回転しないのはどちらかすぐに分かります。
5、次にプレッシャープレートの固定ボルトを本締め、ロックタイトをボルトに塗布し対角線上に締めます。
ロックタイトは1本々付けては取り付けながら作業。
規定トルク:25Nm
6、次にセンターボルトを本締め、一人では無理なのでエンジン固定を友人に手伝ってもらって作業します。
規定トルク:152Nm
7、ついでに反対側のクランクプーリーボルトも本締め、フライホイールロックツール位置を反対にします。
規定トルク:102Nm
8、次にフライホイールロックツールを外し少し回転させ異常が無いか確認し、
フライホイールセンターボルトとクランクプーリーボルトのロックタブをそれぞれ起こす。
9、最後にスラストスリーブ(帽子形状)のプレッシャープレートのあたり面に薄くモリブデングリスを塗布しプレッシャープレートのセンターに被せてる。
クラッチカバーにフォーク等組付け
モリブデングリスと割ピン(Rピンでも可)をご用意ください。
予めクラッチカバー再使用パーツはキレイに清掃し用意いします。
今回はクレビスピンなどは摩耗が殆どなく再使用しますが、全て新品が望ましいです。
1、プランシャーにスラストベアリングを取り付ける。
中央でOリングだけで固定、これで大丈夫なのかと不安に思うが正解のようです。
スラストベアリングはリング状プレートが有る方がフライホイール側。
プランジャーにモリブデングリスをタップリ付け、特に穴部、プランジャーをクラッチカバー内側から挿入。
2、新品リリースレバーの摺動部にモリブデングリスを塗布しながら丸い先端部をプランジャーに差しクレビスピンで固定割ピンで抜け止め。
リリースレバーの向きに注意
ついでにプランジャーのナットを2個装着仮止め
3、プッシュロッドも摺動部にグリスを塗布し組付け
4、最後に軽く動く事を確認。
クラッチカバーは取り付けてもOKですが、私はエンジンを乗せる少し前にエンジンマウントを取り付けてから組付けしております。
まとめ
クラッチ板交換などの際にこの記事が参考になれば嬉しいですね!
- 使用する道具/用具について
- クラッチ板交換しフライホイールへ組付け
- クランクシャフトにフライホイールの組付け
- クラッチカバーにフォーク等組付け
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