ローバーミニ(Mini、ミニクーパー)エンジンのオーバーホールを順を追って解説、
今回はシリンダーヘッド、プライマリーギアの取り外しについて解説します。
目次【シリンダーヘッド、プライマリーギアの取り外し方解説 】
使用する道具/用具
使用する道具は以下です。
- インチボックスレンチ
- ミリボックスレンチ
- ロングスピンナーハンドル又は延長鉄パイプ
- プラハンマー/ハンマー
- ポンチ
- スタッドボルトプーラー
シリンダーヘッド、プライマリーギア取り外しの手順
●プライマリーギアの取り外し
プライマリーギアとアイドラギアはエンジンの回転をミッションに伝える構造です。
プライマリーギアはU字型のキーがクランクシャフトに縦に挿入されてて抜き取ることで
ギアは抜けてきます。
プライマリーギアの最後にスラストワッシャーがアリ挿入に向きがあるのでよく観察して取り外してください。
内側円がテーパーになってる方がクランクシャフト側になります。
またプライマリーギアは1000㏄と1300㏄とではギア数が異なるようです。
プライマリーギアが外れたらアイドラギアも取り外しておきます。
シャフトに前後にシムカラーが入っていいますので無くさないよう。
今回は交換しません。
もしアイドラギアを交換する場合はシムのクリアランスを測定し適正なシムカラーと交換してください。
●シリンダーヘッドの取り外し
最初にヘッドカバーを取り外します。
シリンダーヘッド上にロッカーアームがございます。
このロッカーアームから取り外します。
ロッカーアームはブラケット部8ヵ所で固定されてますので、まずはヘッド中央部側4ヵ所を緩め外します
外側から内側に向いて外します。
一部ロングソケットレンチを使用
画像の「1~4」番
次いでヘッドの残り9ヵ所のナットを外側から内側に向け対角線上のナットを順次緩めます。
画像の「5~13」番
※チューニングヘッドの場合はさらに両サイドに2本有り
一度に緩めてしまわないで2~3回に分け緩めます。
エンジン台に乗せてない場合は2人で作業することをお勧めします。
時にはスタッドボルトごと外れる場合がありますが気にせず外します。
すべてナットを外したらプラハンマーでヘッド四隅を下側から上にたたき上げる事でガスケットの固着が剥がれてきますので後はシリンダーヘッド全体を持ち上げれば取り外し完了
プッシュロッド8本もついでに抜いておく。
スタッドボルトも抜きますがその際にスタッドボルトプーラーを使用すると簡単に取り外せます。
ネジのない所でロックするように使用する。
次の分解の為にピストンTop面にポンチで番号を打刻しておきます。
ピストンを再使用する場合は必ず何番か分かるように打刻してください。
パーツの良否、状態確認で交換パーツを決める
プライマリーギアを外す前にギアのスラスト方向のクリアランスを測定しておくと良いです。
シクネスゲージで約0.09~0.16㎜のクリアランス、大きく外れている場合はギアエンドのスラストワッシャーを適正値の物を選択し交換
以下の厚みの種類があるようです。
0.112-0.114インチ(2.84-2.89mm)
0.114-0.116インチ(2.89-2.94mm)
0.116-0.118インチ(2.94-2.99mm)
0.118-0.120インチ(2.99-3.04mm)
0.120-0.122インチ(3.04-3.09mm)
プライマリーギアの内側に縦傷がある場合はインナーメタルを交換又はプライマリーギア丸ごと交換
レース使用以外の場合、基本編摩耗してない場合は0.09~0.16㎜のスラスト方向のクリアランスが0.3㎜でも問題なく使用できると思いますが…その判断は自己責任でお願いいたします。
スタッドボルトに歪みや錆による腐食がる場合は交換する。
シリンダーヘッドガスケットの各気筒間に吹き抜けによる隙間やガスが漏れた跡が無いか確認
その際はシリンダーヘッドの接触面は内燃機屋でヘッド面修正研磨をお願いします。
ヘッドガスケットの吹き抜けがない状態でも私は修正に出す場合が多いです。
まとめ
いよいよ分解って感じでワクワクドキドキされる方もいらっしゃいますね~!
私はいまだにドキドキします。www
- 使用する道具/用具について
- シリンダーヘッド、プライマリーギア取り外しの手順
- パーツの良否、状態確認で交換パーツを決める
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